NTT労組定期大会
向こう2年間の運動方針を決定
                                               2010.7.29


NTT労組大会(NTT労組HPより)
 NTT東・西やドコモ、データなどNTTグループの労組で構成するNTT労働組合(約17.4万人)は29〜30日、組織発足から60年目の節目に当たる定期大会を、都内で開いた。

 大会では、2010春闘を総括するとともに、(1)ICT・ブロード社会の推進に向けた情報通信・情報サービス政策の実現と、雇用の安定・確保(勤務間インターバル規制の導入に向けた労使間論議の積極化などの総合生活改善)(2)NTT労組運動の強化・発展(3)仲間づくりの取り組み強化(4)政治活動(5)福祉活動――を柱とする2010−11年度の中期運動方針を決定した。


 「NTT東・西のアクセス網の分離・分割の検討は
理解できない」(加藤委員長)


 あいさつした加藤友康委員長は、取り巻く情勢として、総務省ICTタスクフォースが5月にNTTの経営形態のあり方に係わる「光の道」構想(注)を策定し、来春の通常国会での『光の道』三法案(仮称)の提出に向け、11月を目途とした最終報告のとりまとめを検討していることに言及。

 「電話時代を主眼とする従来の延長線での議論や、一部企業によるマスコミ・世論への誘導等により、当事者の意向や実態が脇に置かれた組織論がクローズアップされるなど、本来論議すべき国際競争力の強化や、あらゆる分野での規制緩和に向けた議論が歪められていることに強い問題意識を持っている。

 とりわけ、『光の道』構想で、NTT東・西のアクセス網の分離・分割を検討項目として扱うことは、まったく理解できない」と強く反発した。

 そのうえで、総務省ICTタスクフォース内のワーキンググループが現在(7月28日〜8月16日)、実施しているパブリックコメントに、「NTT労組組織の意思として提起する」などとし、(1)NTT東西のアクセス網分離案は、技術確認の停滞や投資意欲をそぐ結果となり兼ねず、光敷設に努力してきた組合員の頑張り等労働意欲の低下も招きかねないこと(2)NTTの組織形態については、国内の事業者間競争に捉われず、グローバルかつ国民視点に立った慎重な議論が必要なこと――を改めて訴え、今後の動向を注視すると強調した。


 
9月にテルウェル東・西労組と合流し5,000人超増へ

 大会では、野田三七生事務局長が、一般経過報告の中で組織の現況に触れ、「組合員数の減少に歯止めをかけ拡大に転じることを追求する中、非正規労働者や未組織グループ会社の組織化を重点に設定し、総がかりの取り組みを通念的に展開してきた。

 その結果、7月1日時点での拡大実績は、2010年度の新卒採用者3,450人、中途採用者421人、未組織グループ会社社員326人、非正規労働者2,514人の総勢6,711人となった」と報告。

 ただ、NTT全体としては依然、多数の定年退職者が出ているため、昨年同月比約1,700人の純増にとどまったことから、「引き続き必達目標(8,450人)の達成を目指して取り組もう」などと訴えた。

 また、本大会ではテルウェル東・西(電話に関する総合受付業務等を受託・運営)がNTTの完全子会社になったことに伴い、情報労連直属から、NTT労組傘下へ組み換えるための「テルウェル東日本・西日本グループ労組(総勢約5,300人)との合流・結集」についての方針も決定。

 テルウェル西日本(8月27日)、テルウェル東日本(8月31日)両グループ労組の新組織結成大会を経て、9月上旬にもNTT労組に合流する見通しを明らかにした。

 このほか、役員改選が行われ、委員長に加藤氏(58歳、東京)、事務局長に野田氏(49歳、熊本)を再任した。


 
(注) 『光の道』構想をめぐっては、原口総務相が3月、2015年頃を目途に、すべての世帯でブロードバンドサービスを利用できるようにする考え方を表明。その実現に向け、ICTタスクフォースに対し、アクセス網の整備方法やユニバーサルサービスの見直し、さらにICT利活用の促進方法等について、5月中旬を目途に基本的な方向性を策定するよう指示した。

 その後、事業者ヒアリングを経て5月18日に、(1)『光の道』の実現に向け、NTTの経営形態を含め、年内に一定の結論を得る(2)来年の通常国会に『光の道』三法を提出することを目指し、夏頃までに『光の道』の「戦略大綱」・「工程表」をまとめる――などとする「『光の道』構想実現に向けて〜基本的方向性」を策定した。

 その中では、NTT東西のアクセス網保有部門について、(1)現状を維持すべき(2)組織的な再編成(機能分離/グループ内分社化/完全分社化)を行うべきなどと考え方を整理。

 また、NTTの組織形態についても、2015年に向けNTT東西のアクセス網のオープン化等の検討を行い、報告とりまとめの1年後を目途に、必要な措置を検討のうえ実施していくことが適当などとした。

 そのうえで、今後は7人の有識者で構成する『光の道』ワーキンググル―プが集中的検討(非公開)を行い、8月段階での「戦略大綱」策定後、11月にも「最終報告書」をとりまとめる見通しになっている。

                                        (「メールマガジン労働情報」より転載)